本編

【前】
1.花嫁 ... 傷口がぐずつくような感覚がある。
2.呼吸する人形 ... 彼にとって、生まれて初めてともいえる絶頂であった。
3.為肉判定◎ ... 一応、人間を見る目である。
4.予兆 ... 呆然としている可哀想な睦月。
5.隔たり ... 諍いは嫌いだ。
6.怯え ... まずい、よくわからないがやってしまった。
7.まぼろし ... 皮膚の下で泳ぐ魚が笑うように身体を震わせた。
8.赤頭巾 ... それを露にしたらもうこちら側には戻れない。
9.黄信号 ... 相変わらずただの人間のつもりでいる。
10.約束 ... 水彩で描かれた青空のように澄んだ瞳を瞬かせていたが。
11.旋回 ... 好奇心猫をも殺すというけれど。
12.聖域 ... 鍵は閉めなきゃ駄目だっていつも言ってるじゃないかマチコさん。
13.失命 ... ちぎれて残った感情がメリーゴーランドのように回転する。
14.冷笑 ... 変われなかったんだよ、だからこうしたんだよ。
15.吐息 ... …いてくれて有難うとも、言ったことはないけれど。



【後】
16.平穏 ... 机の上に転がる木片。
17.地平線 ... さすがに柚谷は人を飼っているだけあって詳しい。
18.青い鳥 ... コーンスープの味も普通に感じられる。
19.天体観測 ... 背景が静止する。
20.半熟 ... 何でもなくてこんな乱暴な真似をするものか。
21.薄曇る ... 彼がモラルに固執する姿は実に滑稽で美しい。
22.ビスケット ... 目を開けたら、瑞樹が立っていた。
23.バターと血液 ... 彼は朝陽に溶け込むような穏やかな表情で語った。
24.飴玉 ... 目と目が合った。
25. ... こんなろくでなし、知ったこっちゃないのだ。
26.異質 ... 疑いの芽は、吹き出てはすぐにもぎ取られる。
27.ダメージ ... あの男の箍はもはや外れてしまっていたのだった。
28.砂時計 ... 中途半端な彼はいらなかった。
39.発熱 ... そんな当たり前のことにおかしなくらい動揺した。
30.風船 ... やがて赤い幕が下りた。
31.前日 ... 可能性というものは、既に断たれた後だった。
32. ... いまだけで良いから、笑ってよ だなんて。
33.落花 ... ああこれでいいのかと思った。
34.呑込む ... どうして、新は今日此処へ来ようと思ったのだろう?
35.きこえない ... 彼女はそれを溺愛している。
36. ... その相手は、綾城椿でないといけなかったのだろうか?
37.生き返る ... 失われてしまったら、嫌われることさえままならなくなる。
38.ふたり ... 新の手のひらに、血が触れる。
39.いびつ ... 常識的に、いやもっと冷静に考えてごらんよ。
40.在処 ... 睦月には、新に遠慮する理由がない。
41. ... 出来ることなら、もう彼には帰ってほしかった。
42.写す ... あの子どもの夢を見た。
43. ... 彼はもはや…ただの愚直で繊細な子どもではないのだ。
44. ... 汚してはいけない奇麗な彼の綾城椿。
45.赦し ... キミはおとななんだ。


あとがき